陰陽五行説
- pcs9130
- 2025年6月20日
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更新日:2025年8月26日
東洋医学の基礎である陰陽五行説について説明したいと存じます。
陰陽五行説は陰陽学説と五行学説からなっております。陰陽学説は古代中国の哲学理論で陰(日かげ)と陽(日なた)という対立する概念によってすべての事象を分類し相互作用や盛衰、転化を考える学問です。自然界でみますと、天と地、昼と夜、上と下、東と西、夏と冬、火と水であります。陽は能動的、熱性、動的で陰は受動的、寒性、静的です。天人合一を特色とするこの東洋医学では、人間を小宇宙とみなしているので人体で見れば男は陽、女は陰、頭は陽、足は陰、背は陽、腹は陰、外部は陽、内部は陰、五臓は陰、六腑は陽、気は陽、血は陰。更に病気でいえば、急性病は陽、慢性病は陰、腫れ痛みは陽、痩せ痺れは陰、発熱は陽、寒冷は陰など分類されるが、固定的絶対的なものではなく相対的なものであります。※素問陰陽応象大論には“善く診する者は、色を察し脈を按じ、先ず陰陽を別つ”とありまずは陰陽を弁別することの大切さを述べている。

古代中国には万物を形作っているものは五つの元素であるという考えがあります。ヨーロッパにも同じような考え方はあります。西洋占星術ではフォーエレメントと言って4つの元素ですが、東洋では5つの要素が元素であり、それが輪廻転生のようにぐるぐる回っているのです。五角形となっています。一つ一つ説明しますね。
まずは木、木は根を張って成長する、繁栄するというイメージです。火は木を伐採して燃やす、ものすごいエネルギーが起きます。情熱とか、パワーをイメージしますね。
次は土ですね。木があり火で燃えて、残るのは灰です。これは土になります。そして灰が土に還りそこからミネラルが生まれます。カリウムやマグネシウム、鉄、つまり金ですね。
そしてそこへ雨が降ると地下水として地中に貯まる。鉱脈のそばに地下水は貯まるわけです。そしてその地中に水が染み渡り、また木が生えるというわけです。エネルギーはくるくる回っているのですね。これが相生関係です。そして世の中は本当にこの流れで流れています。
しかし、この流れが順調に流れているときは良いが何らかの理由で過剰になってしまうと抑えないといけない。これを相克と言います。火が強くなると火を抑えないといけない。抑えるには木を減らす、あるいは水を強くする。そうして火を抑えるのです。金が強い時は火を使う、金属は火によって溶けてしまう。形を変えて人間の使いやすい物に作り変えることができる。金剋木、木が強くなれば金で打つ、木の栄養といえば有機物、チッソ塩酸カリウムなんて言いますけどカリウムという金属を減らせば木は無くなります。木剋土、土が強くなってしまったら木を増やす。作物を増やすことで土の力を弱めます。
このように自然の摂理を利用して洪水や日照り、長雨、地震、山火事などを克服してきたのです。そして農業、治水などを始める時この相生や相克を使い始めたわけです。これが人類の知恵となっていきました。この知恵は人間の生活の全てに応用してきました。農業、土木、治水、政治、人事、そして医療です。医療ではこの木火土金水に臓器を当てはめました。
木は肝、火は心、土は脾、金は肺、水は腎、これは五臓、六腑もそれぞれ、
胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦となります。木は成長繁栄、そして火の原料となる、その臓器は肝臓です。わかりやすいのはグリコーゲンですね。ブドウ糖の集合体です、エネルギーの源泉です。筋肉や肝臓に蓄えられていざというときに使われるエネルギーです。使うところは心臓です。火は心臓です。
土は物が動かないで溜まっている様子、これは胃ですね。そして金
金は灰ですね、灰は土に交じり金はそこから篩い分けられ金として生まれる。我々の臓器で常に篩い分けしている臓器は肺ですね。酸素と二酸化炭素とを篩い分ける。水を作る臓器は腎臓ですね。
このようにして身体はエネルギーを作っているのです。心臓からポンプ作用で血液を出し、食べたもの胃で消化してエネルギーとして燃焼させ、肺で酸素と二酸化炭素を篩い分け、二酸化炭素と水をろ過するのが腎臓です。おしっことして捨てる。そしてまたエネルギーを作る。これが相生なので健康な時はこのバランスが綺麗な回転をしている。
ところが血圧が高い、これは木火土金水で言うとどこが過剰なのでしょうか。当然心臓です。心臓の拍動が強くなりすぎ脈拍の回数があがると血圧は当然上がります。これは木にあたる原料が、過剰すぎる事が原因なので、原料を減らしてあげることが大事です。太っている人でいかにも血圧が高そうな人っているじゃないですか。そうゆう人はダイエットして痩せれば血圧も下がりますよね。
それからもう一つ血圧が上がっている状況を東洋医学では“心悸亢進”と言います。これが行きすぎちゃって激しく血圧が上がる、すぐに下げないといけない時は水ですね。血液が多すぎて血圧があがっているのだから腎臓を強くしてあげておしっこをたくさん出せば血圧は下がります。現代医学的に合えば降圧剤です。コレステロールが高ければ高脂血薬、スタチン製剤ですね。高血糖ならインシュリンです。でもこれは究極の対処療法ですよね。五臓の関係なんか考慮していません。相生と相克の関係をみて診断治療するのが東洋医学です。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五腑 | 胆 | 小腸 | 胃 | 大腸 | 膀胱 |
五色 | 青 | 赤 | 黄 | 白 | 黒 |
五主 | 筋 | 血脈 | 肌肉 | 皮膚 | 骨 |
五味 | 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 鹹 |
五根 | 目 | 舌 | 唇(口) | 鼻 | 耳 |
≪素因別の性格≫
肝証体質…目が大きい、あるいは細く切れ長の美人タイプ、耳は耳介の内側の隆起が耳介より外に出ている。女性では細身で筋肉質。男性では色が浅黒く体格はがっちりしていて筋肉質、親分肌で仕事もテキパキと熟す。正確は几帳面で完璧主義だが体力以上の仕事を抱えこむ。スポーツ選手、天真爛漫なタイプだが怒ると怖い、食欲旺盛、酒もよく飲むため肝機能障害に注意。
脾証体質…胃腸に熱が籠りやすく、顎骨が張っている。あるいは口や唇が大きい。食欲旺盛で汗かき、お酒が好きで歌を歌うのも好き、酔うと裸になりたがる、四肢に熱が多くなるので行動的である。ただ食べ過ぎると胃がもたれる、または胸やけを起こし、腹痛下痢を繰り返す。筋肉が少なく痩せている、もしくは太っている。食欲旺盛のため消化器疾患に注意。
肺証体質…色が白く薄い細かいうぶ毛が多い。男性ならば髭や胸毛、体毛が多い。脂肪が少なく筋肉質。扁桃腺を腫らしやすい。冷たい飲み物でお腹を壊しやすい。冷え性があり、冷えるとすぐ鼻水やくしゃみがでるなど呼吸器系や皮膚病に罹りやすい。
腎証体質…耳が大きいあるいは小さい、基本的に健康だが過労や激務で体調を壊しやすい。背が高く、顔の彫も深い、イケメンタイプだが若いころは痩せていて中年以降太り出すタイプはこのタイプに多い。男女とも冷え性があり、風邪を引きやすい。夏でも汗はかきにくい。養生で長生きするが泌尿器疾患を病み易い。
心証体質…赤ら顔、あるいは色白だが興奮するとすぐ赤くなる。小柄ではあるが身体はしっかりしている。礼儀正しい振る舞いをするが、精神的なストレスを受けやすい。若いときから太っていると循環器系に障害が出やすい。男性では円形脱毛症を発症しやすい。女性では世話好きでおしゃべりが好きだが気を病みやすい。
◎素因はその人が持っている体質でもあるので、少し体調を崩したときはその病証になり易いということである。自分の素因を理解し未病治に役立てよう。
参考文献
吉野 敏明 『オンラインサロン 陰陽五行論』より
